学びセンター通信とは? 信州大学教育学部では、地域のみなさまに向けて、「学校教育の現在」をお伝えするためのメディアとしてこの通信を発行します。次のような特徴があります。 • 信州大学教育学部に所属する教育の専門家の立場から、「学校教育の現在」をわかりやすく解説します。長野県内特有の情報も盛り込み、地域のみなさまに情報提供したいと思います。 • ご自由に印刷配布していただいてかまいません。生徒、教員、保護者等、地域のみなさまとの情報共有にお使いください。 • 「学び通信」からの引用であることを明示していただければ、ご自由に転載してご利用いただけます。たとえば、学年通信・学校通信等の文面としてご利用いただいてもかまいません。テ キスト情報は以下のURLからダウンロードしていただけます。 「信州大学学びセンター」で検索 https://cril-shinshu-u.info/archives/product/learning-newsletters 合わせて、信州大学教育学部に関するご案内や、学校教員養成を取り巻く情報についてもお伝えします。進路選択に役立てていただければと思います。 みなさまのお役に立つメディアになるように努力します。どうぞよろしくお願いいたします。 先取り履修生募集!! 信州大学では、長野県内高校生科目等履修生(先取り履修生)を募集します。教育学部が募集する前期分(2月上旬募集開始)の科目は以下の通りです。 ■学習科学概論 「学び方」に関する教育学・心理学を扱います。オンラインビデオと対面授業を組み合わせて学びます。 ■情報機器活用論 ICT活用を中心に、小中学生の情報活用能力の育成について考えます。対面とオンラインで学びます。  学校の先生になりたい方に特にお勧めします。大学の授業を体験し、進路選択の材料の一つにしてください。詳細は信州大学教育学部ウェブサイト「お知らせ」をご覧ください。 公式SNSご紹介 信州大学教育学部は、XとInstagramで情報発信しています。 学生生活、イベント紹介等、在学生、受験生、卒業・修了生、地域のみなさまに様々な情報を発信しています。 公式X、公式Instagram、公式YouTubeチャンネル、ぜひご覧ください! デジタルって本当にいいの?紙の方がいいのでは? 現在の学校では、1人1台端末が行き渡り、教科書や教材のデジタル化が進んでいます。一方で、「本当は紙の方が効果的なのでは?」という疑問もさまざまなところから聞きます。 私の専門である「教育心理学」では、紙の条件とデジタルの条件を実際に比較して、その効果を検証した研究が多数行われています。さまざまな結果を比較した「メタ分析」と呼ばれる研究を見ると(※1) 、誤解を恐れずに言えば、「紙の方が優勢」です。 そうであれば、デジタルを禁止して紙で学ぶ方がよいのでしょうか? 話はそれほど単純ではありません。 なぜ紙の方がよいのか、という点を考えてみましょう。一つの理由としては、デジタルの多機能性が挙げられます。多機能はいいことなのでは? と思うかもしれませんが、限られた時間の中で書かれていることを理解するには、デジタルの多機能がかえって邪魔をすることもあり得ます。 「誘惑が多い」とも言えそうです。身近に情報を得られる装置があれば、気になってしまいますよね。 とは言え、紙がデジタルに敵わない点は多数あります。大量の情報を持ち運びできるとか、多様な情報を瞬時に得ることができるとか、遠くの人とネットを通して交流できるとか、映像・音声が使えるとか、さまざまな利点があります。これらの利点を使わないのはもったいないと思います。デジタルは学びを広げてくれます。 では、どうすればいいのか? 小さい子どもに対しては、大人が一定の利用制限をしてもよいのではないかと思います。その手段の一つとして紙があってもいいでしょう。動画のように紙では無理なことがありますから、一定の制限のもとで紙とデジタルを併用するのが現実的だと思います。 大人になればデジタルを自分でコントロールしなければならないので、どこかの段階で制限を解除していく必要があります。デジタルの欠点を克服して、デジタルを生かした学びを身につける必要があるでしょう。小学校高学年か中学校あたりから、徐々に制限を緩めて、上手な使い方を学ぶ必要があると思います。 紙かデジタルか、という2者択一にならないことが重要だと思います。紙とデジタルは、情報を載せる媒体が異なるだけで、それぞれに利点も欠点もあると考えるとよいでしょう。そう考えると、どちらかを排除する必要はないと思います。また、AIを含めて「デジタルにしかできないこと」が増えますから、徐々にデジタルの範囲が大きくなっていくのではないかと思います。 ※1:Clinton, V. (2019) Reading from paper compared to screens: A systematic review and meta-analysis. Journal of Research in Reading, 42, 288–325. 信州大学教育学部附属次世代型学びセンター長 島田英昭