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【高校生講座】考古学と埋蔵文化センター

9月18日(木),STEAM教育高校生講座に長野県埋蔵文化センターの伊藤 愛様をお招きし,オンライン(Zoom)で開催しました。
講座では,「考古学と埋蔵文化センター」というテーマで,考古学の深い世界と埋蔵文化センターのお仕事について,詳しくご紹介いただきました。

考古学の定義や遺跡や遺物の種類,そして考古学がなぜ重要なのかが説明されました。
考古学は,「遺跡」から出土した「遺構」や「遺物」といった物質資料に基づいて,過去の人間社会を研究する学問です。文字資料がない時代や,文字資料に残されない庶民の生活,さらには文字資料が必ずしも正しくないことを検証するためにも不可欠な学問だと学びました。

続いて,埋蔵文化センターの具体的な仕事内容,特に開発に伴う発掘の緊急調査,出土品の整理作業,そして報告書の作成プロセスの詳細が紹介されました。
まず,発掘作業の流れをビデオ視聴し,発掘現場での図面作成のデジタル化や,遺跡の3Dデータ化など,デジタルへの移行期を迎えていて,さらに動物の骨のDNA鑑定など,科学分析やAI,様々な専門分野との密接な連携が,より正確な歴史の解明に不可欠だと分かりました。

次に,整理作業の流れなどについてご説明いただきました。
図面整理,修正した図面をパソコンで製図,遺物注記(出土地点を印字),土器破片を組み立て復元するなどの多くの作業があることが分かりました。
また,文化財の魅力を多角的に発信し,文化財保護への理解と関心を深めるための活動を行っていることも知りました。

受講生からは,「科学や他分野との連携が強いことに驚いた」「地道な作業が多いことが分かった」といった感想があり,考古学への新たな発見があったようです。
伊藤様から受講生たちに,ご自身のキャリアパスを交え「人生に迷うことがあっても,どの経験も無駄にならない」と温かいエールを送ってくださいました。「考古学の一番の面白さは,発掘調査をして面白い物が出た時」という言葉に情熱を感じました。
受講生にとって貴重な時間となりました。ありがとうございました。

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