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第25回「教育DXお悩み相談室」メールマガジン

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「教育DXお悩み相談室」メールマガジン Vol.25
※本メールは,「教育DXお悩み相談室」からお申し込み
いただいた皆様に配信させていただいております。
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はじめに
教育心理学を専攻していてよく聞かれるのが「結局,
紙とデジタルってどちらの方が学習効果が高いのです
か?」というものがあります。いろいろな研究があるの
ですが,現時点では,総じて「紙の方が優勢」だと思い
ます。
しかし,だからと言って,デジタルをやめて紙にすれ
ばよいかというとそうとも限りません。問題はいくつか
あります。一つは慣れの問題で,デジタルを使い出した
のは最近の話ですから,紙に単に慣れていることが影響
しているかもしれません。他には,こうした類の研究は
「平均的に・・がよい」ということを言っているだけで,
個々人でどちらがよいかは,無関係ではないですが,別
の問題です。
個々人で違うということはけっこう大きな問題です。
これを踏まえ,上記の問題に対する僕の現時点での回答
は「紙かデジタルか,学習者が試行錯誤で選べる環境を
作りましょう」です。もちろん学年にもよると思います。
小学校1年生に自己選択を求めても困難でしょう。年齢と
ともに自己決定を尊重して,デジタルから学び続けられ
る大人になることが理想だと思っています。
(島田@学びセンター長)

1.長野県ICT教育推進センターより
長野県ICT教育推進センターでは,信州大学教育学部附
属次世代型学び研究開発センターと希望する市町村教育
委員会と連携し,本年度3回目のGIGAスクールオンライ
ン研修を11月8日(火)に計画しています。
3回目のテーマは,「学びがつながり,ひろがる,子
供の力を引き出す授業」とし,南信地区の「in 天龍・飯
田」を設定しました。
小学校では,天龍村立天龍小学校,飯田市立和田小学
校,飯田市立上村小学校の3校で,クラウドを用いて評
価し合い,新たな課題を発見する5・6年生図画工作の
授業を配信いたします。
中学校では,天龍村立天龍中学校,飯田市立遠山中学
校の2校で,クラウドで表現し合い,子供たちの中で学
びが進む2年生数学の授業を配信いたします。
オンラインでの授業参観後は,公開学校の取組紹介に
加え,信州大学教育学部の東原義訓特任教授より,現場
の先生向けに「公開した授業とクラウドを用いた授業づ
くり」について指導・助言いただく予定です。
詳しくは,長野県ICT教育推進センターの最新情報と合
わせてご覧ください。

長野県ICT教育推進センタHP
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyogaku/kyoshokuin/shiryo/ict.html
併せて,実践事例もこちらからご覧いただければ幸いです。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyogaku/kyoshokuin/shiryo/ict_douji.html
(学びの改革支援課)

2.GIGAスクール県内ポータルより
・学びセンターでは,GIGAスクール長野県ポータルサイ
トを運営し,長野県内自治体のGIGAスクールに関わる情
報などを随時紹介しています。また,皆様からのGIGAス
クールやICT活用教育に関する情報をお待ちしていますの
でお気軽にお寄せください。
「GIGAスクール長野県ポータルサイト」
https://cril-shinshu-u.info/giga/
・伊那市ICT活用教育実践事例集の最新号では,小学3年
生の社会科で,伊那市のいい所を紹介しようと地図作り
を進めています。これまで調べてきた内容をもとに,ス
クールタクトを使って市の様子を考え話し合っている様
子を紹介しています。また,「学習者用デジタル教科書」
の効果的な活用について研修会が行われた様子を紹介し
ています。こちらもどうぞご覧ください。
https://cril-shinshu-u.info/giga/info/456
https://cril-shinshu-u.info/giga/info/461
(森下@学びセンター)

3.附属次世代型学び研究開発センターより
・信濃教育会の「新しい時代の教育」研究調査委員会で,
学びセンターが研修を担当しました。情報活用能力が学
習の基盤として学習指導要領に位置付きました。その情
報活用能力を育成・発揮しながら「主体的,対話的で深
い学び」を実現すること,そのためのインフラがGIGAス
クール構想による1人1台の情報端末となります。これを
前提に,本研修会では,まずは「主体的,対話的で深い
学び」を分解し,「主体的」に着目した上で,情報端末
を活用することを前提に「子供が主体的に活動できるよ
うになるため」のカリキュラムマネジメント,その計画
をしていただきました。
学校では,朝,登校し,教室に入った時から家に帰る
まで,さらには家庭学習の場面など,実に様々な場面で
主体性を発揮させようと指導しています。もちろん情報
活用能力のみで子供が主体的になるはずがありません。
学級経営や生徒指導,教師や児童生徒同士の関わり,知
識・技能の習得や学び方の学ぶこと等,多岐にわたりま
す。その中の一部がICTや情報活用能力だと捉えることが
できますし,基本のインフラですから,日常的に子供た
ちの活動(授業場面以外でも)を,子供が判断して活用
されていく必要があります。参加者の先生方は,多面的
・多角的に日常をふり返り,子供が主体になるまでの道
筋を真剣に考えられていたことが印象的でした。
(佐藤@学びセンター)

・本センターでは2021年4月から2022年2月にかけて継続
的にGIGAスクール構想に関するお悩み(課題意識)に対
する相談会を,ゲストスピーカーをお招きしながら進め
てきました。この取り組みから長期的な課題意識の変遷
について,今後の研修や支援で活用できるよう整理,分
析し,日本教育工学会のショートレター論文として投稿
しております。具体的には,GIGAスクール構想における
初期・中期・後期段階の課題意識について,情報端末の
運用および活用に関する視点でその質的変遷を把握しま
した。その結果,小・中学校では初期,中期で運用と活
用に関する課題意識が5割程度であり,後期段階から活用
に関する課題意識が6~7割程度に高まることが把握され
ました。また,教育委員会では,中期段階から活用に関
する課題意識が7割程度に高まっていることが把握され,
学校現場よりも一歩早い段階で見通しを持った課題を把
握している傾向がみられました。その課題意識に関する
記述内容から,小・中学校の運用に関する課題は,ネッ
トワーク環境やセキュリティに関する内容も多く,教員
での解決は難しいものが多くありました。そのため,主
体的・対話的で深い学びを実現に向けて,活用に関する
課題に対して教員が時間を割くことができるよう,運用
面・活用面での支援を本センターとしても,今後検討し
ていきたいと思います。
(小倉@学びセンター)

4.国や文科省の動きから
ほぼ全ての学校におけるデジタル教科書の実証やコン
ピュータを使ってのテストであるMEXCBTの実証準備の進
行につれて,ネットワークが円滑に運用できているのか
の問題があらためて浮上してきています。
すでに,文部科学省はネットワークのアセスメントに関
する次の資料を,2021年3月12日に局長通知として発出し
ています。
「GIGAスクール構想の実現に向けた通信ネットワークの
円滑な運用確保に係る対応について(通知)」
https://www.mext.go.jp/content/202103012-mxt_jogai01-000011648_007.pdf
この資料を見ても,どうしたらよいのか迷うといった
声に応え,文部科学省のICT活用教育アドバイザー事業で
は,「円滑な利活用に向けたネットワークの改善」につ
いての説明会・質問会(10月31日16時)を計画していま
す。近日中に詳細の案内がWebサイトに掲載されると思わ
れますので,次のサイトをチェックしてみてください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm
(東原@学びセンター)

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「教育DXお悩み相談室 メールマガジン」
発行 長野県ICT教育推進センター・信大附属次世代型学び研究開発センター
メルマガ登録・停止・変更 https://cril-shinshu-u.info/merumaga
その他お問い合わせ https://cril-shinshu-u.info/contact
長野県GIGAスクールポータルサイト https://cril-shinshu-u.info/giga/

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