10月9日(水)信州大学STEAM教育プログラム高校生講座「繊維のいろいろ」がオンラインで行われ、信州大学繊維学部 先鋭材料研究所 木村睦先生にご講義いただきました。
木村先生は、有機化学を専門に研究されてらっしゃいます。
有機化学と繊維はとても関りが深く、有機化学の元になった繊維についてお話いただきました。
まず、長野県の繊維産業についてお話がありました。
110年位前はシルクの産業が沢山あり、日本の近代化を推し進めてきた歴史がありましたがその後、有機化学がどんどん発展し糸はそれまでは虫や羊毛や植物といった天然のものを使っていた時代から石油や石炭から繊維を作れるようになり、天然高分子化合物と合成高分子化合物というものができあがった。有機化学は合成高分子をつくる源になった学問である。とお話がありました。
それから1940年にナイロンができ、身の回りのものにプラスチックが使われることが多くなったけれども、地球の環境に影響を及ぼすことが問題になっている。二酸化炭素を出さない社会にするために、繊維(着るもの)についても考えていかなければならない。とお話がありました。
次に、受講生に事前に配布した実験セットを使い、布がどのように染まるか実験しました。
コップにお湯を入れ、色がついた液体(染料)をコップに2,3滴いれて混ぜ、布を5分間浸しました。
浸している布には、綿・ナイロン・アセテート・毛・レーヨン・アクリル・絹・ポリエステルが入っています。
5分後に浸した布を洗い、それぞれの繊維がどのような色に染まっているかを確認しました。
後で写真を撮って、Googleクラスルームにアップしてもらうようにしました。
染まった色の違いによって何の繊維(素材)かを確認することができるので、再生の仕方がわかるようになる。循環社会のなかで、繊維を何度も再生していく社会になっていくので糸の種類を色で見分けることができることで再生の仕方がわかるようになる。
人工的化学的に作った合成繊維は分解が難しいけれども、再生する産業が今後発展していくだろうとお話がありました。
最後に、「環境を考えながらファッションをするには」どうしたらよいかについて受講生に考えてもらいました。
講座を聞き受講生からは、
・合成繊維の大量消費が抱える現代の課題と、それを解決するための研究に大変興味を持ちました。
・繊維についてどうやって何を調べたら良いか全くわからなかったけれど、実験やお話を聞いて布について調べてみたいと思いました。
などの感想がありました。
木村先生から貴重なお話をお聞きし、着用している服の繊維や環境を考えた再生について一人ひとり考えていくことが、これからの社会で大事であることを教えていただきました。
ありがとうございました。