9月18日(水)信州大学STEAM教育プログラム高校生講座「美術鑑賞で考える人の知覚:知覚実験は「何」を測定しているのか?」がオンラインで行われ、信州大学 先鋭領域融合研究群 社会基盤研究所の坂本泰宏先生にご講義いただきました。
最初に、科学の基礎=測るということについてお話があり、分析したり研究したりするために大切なことは測ること。温度を測りたい場合は、温度計。音の大きさを測る場合は、騒音計など様々なものを測ることはできるが、測れないものヒトの心や観測できないものを少しずつ測定する技術が誕生してきている。ことについてお話がありました。
次に、美しさってどうやって測るの?について考えました。2枚の絵を見てどちらの絵が好きかを受講生に聞きました。
美しさというのは人それぞれ感じ方がちがうということをわかってもらうための質問でした。
続いて、どっちが美しいか?について考えてもらい、好きと美しいは違うということについてお話がありました。
次に、ヒトの内側の世界の現象を測定するにはどうすればよいかということで、いくつかご紹介がありました。
世の中の問題は一つの科目では解けないし、解き方も一つではない。観察力(洞察力)が大切であるとお話がありました。
最後に、美術作品・音楽などはただ楽しむためのものではなく、人の心の中や自然界で観測できない現象を科学的に洞察するために必要な実験装置でもある。ただ楽しむのではなく、それらと向き合ったときにどうして自分はそれを楽しいと感じるのか?美しいと感じるのか?その感情はどんなものなのか?をぜひ考えてみてください。そこに新しい発見があるかもしれません。
と坂本先生からメッセージをいただきました。
美術史(芸術学)、情報学、認知神経科学を合わせた研究をされている坂本先生から、科学の世界でも芸術は大事であることを教えていただき大変貴重なお話をお聞きすることができました。ありがとうございました。
受講生の感想
・人間が想像できることは必ず人間が成し遂げられるということがとても印象に残りました。バチカン市国のシスティーナ礼拝堂に行って自分の目で芸術を感じたいです。
・芸術を科学的に分析する視点や、人間が見れていないものがあるというお話から、計測する技術もこの先必要とされていくのかなと感じました。
・美しさを科学的に考え、その条件を見つけ出すという発想に驚きました。